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自殺のための101の方法 感想

フタコイオルタナティブGと自殺のための101の方法から見える 金月龍之介氏の価値観を中心に

 

自殺のための101の方法の個人的解釈

・壁の中の目、謎の黒猫、自殺を迫らせる精神攻撃と教授はクトゥルフ的な存在であり、世界の創造神である主人公を自殺という形で精神的に殺そうとするおはなし。101の方法というのはクトゥルフがしかけた精神攻撃パターン。

 

・本作はそれほど電波でもなく本当の世界を探すSFモノだと感じた。 生々しい過去と印象的で奇妙な自殺を混ぜることで電波ぽくなっている。有名なシャープペンシルを貫通させるお話もそこまで重要に関わってくるわけではない。アルミホイルを貼る行為がやっぱり電波ぽさを加速させる要因かなと。

 (哲学チックなことを延々と話してることを電波というのであれば、本作は当てはまるが…)

・現在の閉鎖空間と暗い過去、そしてここじゃない世界が混ざり合う独特のSF 腐り姫インセプションを足して割り、クトゥルフと閉鎖空間を足した感じ。

 

・trueでは主人公が自分を認識しすることで、他人の世界の中心になり、愛されるend

 badでは主人公は勝利を勝手に確信し、慢心することで呑み込まれて消滅するend

・死とは分からないものであり、生を実感することで死ではないと間接的に知ることができる。死の恐怖とは生の浮遊感。

 

・そしてこの作品、自分が世界の中心と認識してどこの世界も限界の壁も関係ねぇ!ってのは同じ作者のフタコイオルタナティブでもテーマとなっている。というより続編の小説であるフタコイオルタナティブGの結論は、そのまま自殺に通じるものがあった。

自分が世界の中心にいるって思えない男が、どうして他の人間の世界の中心なれる?誰かに愛してもらうことができる?

フタコイオルタナティブGの終盤では、再三この言葉が挙げられ「壁」というワードが出てきます。

自分で限界を作り、隅っこにひっそりと暮らし続けることの否定。自らの想定を超えることで初めて誰かの心を動かすことができる。

 

これは閉鎖空間を飛び出し、ヒロインに手を差し伸べて貰うことがtrueとなる自殺でも同じことが挙げられます。

壁を比喩的な表現でなく直接壊しにかかった所が自殺のヒントになっていたのかなと感じました。そして、壁である閉鎖空間のシェルターに戻り、自分で勝手に満足するとbadになるところも。

 

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フタコイオルタナティブGは上記の100ページほどの小説とアニメ13話分の脚本が載っているので、フタコイオルタの本編がよく分からない人にもそうでない方にもオススメです!

(Amazonリンクは微妙にプレミアついてるので省略)

 

どうでもいいこと

義妹ちゃんの自殺の定義が空の境界に似ているなーと感じた。地面に着いて砕けるまでが生命です。遠足遠足。

実験室、アルミホイルの部屋から更に閉じこもった世界に行ったものは不幸に ワカメ…

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